無線センサーネットワークは、色々な場所にセンサーを配置し、無線ネットワークで接続し、センサーからの情報を収集するものです。無線を使用することにより配線の必要が無くなり、設置がより簡単になるのが最大のメリットです。
構成
写真右下の黒い箱が「ゲートウェイ」と呼ばれるものです。各センサーからの情報を集約し、クラウドに送ります。各センサーの情報はウェブサイトで見ることができます。
センサー色々
センサーは、二酸化炭素(CO2)、温度、湿度、一酸化炭素(CO)、人が動いたら感知する「赤外線人感センサー」など一般的なもの以外にも、測定したい項目を測定できる電子部品さえあれば、色々なセンサーを作ることができます。
例えば今まで製作した物の中には、ドアの開閉を感知する「開閉センサー」、雨などの水滴を検出する水滴センサー、最近問題となっているPM2.5を検出する「PM2.5センサー」、放射線を検出する「放射線センサー」、あと機器ごとの消費電力を測定する「電力測定センサー」などがあります。
機器のコントロールも可能
測定したデータはただ見る以外に、条件を設定して機器のコントロールなども可能です。
例えば温度が25℃以上になったら画面に警告サインを出す、メールを送信する等以外に、換気扇やエアコンを動かして温度を下げるようにしたり、設置している警光灯(パトランプ)を回したりすることもできます。
また電力節約のため、人がいなくなったと判断できる会議室のエアコンや照明を自動的にオフにしたりすることも可能です。
センサーネットワークに最適なZigBee
各種センサーとゲートウェイは「ZigBee」というセンサーネットワークを主用途として開発された近距離の無線通信技術を使って通信を行います。無線を使用することにより配線の必要が無くなり、設置がより簡単になります。
またこの「ZigBee」は消費電力をごく低く押さえることが可能です。例えばセンサーを乾電池で半年~1年駆動させることもできるので、通信・電源の配線を一切不要とすることも可能なのです。
似たような規格としてはBluetooth Low Energy (Bluetooth LE)などもありますが、ZigBeeは中継機能があるのが大きなポイントです。
例えばゲートウェイから遠いところにセンサーを設置する場合、別のセンサーが中間地点にあればそれを中継ポイントとして使うことができます。更に配線や設置の手間を軽減することが可能なのです。
アイデア次第で様々な使い方
センサーを高齢者の自宅に設置することで遠隔で安否確認を行う、またドアや窓の開閉をチェックすることで簡易的な監視システムとして使うこともできます。
また効率的なエネルギー管理で住宅やビルの省エネを実現するEMS(エネルギー管理システム、Energy Management System)として使うこともできます。対象によってHEMS(住宅、スマートホーム)、BEMS(ビル、オフィス)、FEMS(工場)、CEMS(地域)ということもありますが、いずれも節電やCO2削減を目的として、電気の使い方についてチェックし、コントロールをするというシステムの基本は共通です。
他にも農業分野など、アイデア次第で様々な使い方が考えられます。
(2015年5月28日 更新)